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コロナハラスメントの予防に向けて企業が取り組むこと

コロナハラスメントで被害者や加害者にならぬように

コロナ明け 女性 不安
緊急事態宣言が全国的にも落ち着きをみせた状況もありますが、新型コロナウイルスの感染は、変異株の出現でとどまることを知らず長期化しています。ワクチン接種の普及により、重症化のリスクが随分減ってきた印象はありますが、まだコロナウィルスへの不安や恐怖を持っている方も多いでしょう。

特に目に見えないもの対する不安や恐怖は、知らずうちに誰かを傷つけたり、排除したり、場合によっては差別をしていたり。長期に続く行動の自粛で、社会全体がイライラした状況に陥りやすく、またコロナウイルスに過敏になることで、余計な反応になることも。「自分の身を守りたい」という自身にとってはあたり前の防衛反応であったとしても、相手にとって不快感やいやがらせと感じる、いわゆるハラスメントに該当する場合もあります。

気がつけば被害者、ましてや加害者にならぬよう、コロナハラスメントについての正しい理解をする必要があります。実際にコロナハラスメントによって、仕事を続けられなくなったという事例も増えています。企業においては大事な社員が、その被害者になったり、また加害者にならぬような対策が求められています。

コロナハラスメント(=コロハラ)とは?

通称コロハラ、いわゆるコロナハラスメントは、新型コロナウィルスを建前に、嫌がらせや強要する行為のことです。

例えば、医療従事者やそのご家族、又はウイルス感染後に陰性となった人へ「感染るから近寄るな」、「1人だけ別室で仕事をさせられた」といった差別や暴言、バイ菌扱いしたり、排除や強要したり過剰に反応する行為をさします。

「息苦しいからとマスクを着用しない」、「マスクを着用せずに咳き込む」といった自分勝手な行為で、周りの人への不安を煽ったりする行為もコロナハラスメントです。

また、それ以外にも「熱があるのに忙しいからと休ませてくれない」、「陽性の結果がでたのに、業務停止になるから黙っていて」、とコロナにからんだパワハラ(パワーハラスメント)につながるケースもでています。

いずれにせよ、感染者は今後も増減しつつも増えることは予想され、コロナハラスメントによって「仕事が手につかない」、「外に出るのも怖くなる」と精神的にも追い詰められる人が増えてくることは否めません。

ハラスメントとは?コロナハラスメントの種類

コロナウイルス
セクハラ(セクシャル・ハラスメント)、パワハラ(パワーハラスメント)、モラハラ(モラルハラスメント)...ハラスメントのつく言葉が増えていると思いませんか?

ハラスメント(Harassment)とは、嫌がらせを意味します。つまり、他者に不快な思いをさせる行為のことを指すので、実に多様です。同じ行為をしたとしても、どんな状況で誰がやるかによって受け取り方や感じ方が違い、一方では、ハラスメントになる可能性があるということです。

価値観が多様にあり、感じ方や受け取り方が人によって違うことに対して、社会が随分と受け入れるようにになってきたと感じます。あたり前や常識といったものが、人やその置かれている環境などによって違うことを単に否定するのではなく、互いの違いや多様性を認め合い共存共栄する、いわゆるSDGs(持続可能な開発目標)を目指そうという機運が増えてきています。

ハラスメントの根底にある違いへの理解不足と差別意識

ハラスメントが増えているのは、そういった違いへの理解不足と差別意識が根底にはあるのではないでしょうか。自分は正しい、あたり前のことをしているだけ、他もそう思っているはずだ、といった自己中心的な決めつけで理解を示さないことであり、そうでないものへは差別しても排除しても構わないという差別意識です。また何かというと「それはハラスメントです」と訴えたりするハラハラ(ハラスメントハラスメント)も同様に理解不足などがあります。

例え小さな声であったとしても、SNSの広がりはその声が一気に世界中に届くという世の中。何らかの呟きに同調する声は、良くも悪くも事態を加速させる原動力になっていることもあります。

ハラスメントの被害者にも加害者にもなりうる

ハラスメント(Harassment)とは、嫌がらせを意味します。つまり、他者に不快な思いをさせる
行為のことを指すので、実に多様です。同じ行為をしたとしても、どんな状況で誰がやるかによって受け取り方や感じ方が違い、一方では、ハラスメントになる可能性があるということです。
あなたも知らずうちに被害者に、または意図せずに加害者にもなってはいませんか?

実際に、何気ない行為で相手から「それは、パワハラになる可能性があります」と指摘され、以降自身の行動を意識するように気をつけている、というケースもあります。ただ一方で、同じような指摘をされ、「言うべきことが言えなくなった」、「パワハラと言われそうで指導や指示ができない」なんていうケースも。

行為者が意図的であったかどうかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントになりますが、客観的な正当性が認められるとハラスメントになりません。
いずれにせよハラスメントに対する正しい知識を持って、事前に防ぐよう対策をとっていきましょう。

コロナハラスメントの種類

コロナハラスメントに関連するハラスメントは以下のとおりです。
*一般社団法人日本ハラスメント協会の一覧より抜粋

・コロナハラスメント:コロナウイルスを建前に差別や暴言、バイ菌扱いしたり、排除や強要する行為
・ワクチンハラスメント(ワクハラ):新型コロナのワクチン接種を強要する行為
・逆ワクチンハラスメント(逆ワクハラ):新型コロナのワクチン接種をしないように強要する行為

具体的なハラスメント行為の事例としては、

・指定された待機期間を経て、会社に復帰する際「陰性証明を持ってこい」と言われる。
・感染者が退院後、お店から入店を断られたり、サービスの利用を断られる。
・SNS上で感染者として名前の書き込みがある。
・家族が医療関係者だからと、1人別室で仕事をするように言われる。

というものです。
このような行為によって、仕事が手につかなくなったり、外へ出るのも辛いと感じてしまうのは想像もたやすいでしょう。
目に見えない恐怖だからこそ、自分の身や周りの人を守りたいという気持ちからやってしまう行為としても理解できますが、それを強要することで傷つき嫌な思いをする相手がいることも忘れてはなりません。

コロナハラスメントの予防に向けて企業が取り組むべきこと

企業の取り組み
コロナハラスメントだけでなく、社内でハラスメントが起こる、または起こりやすい背景は共通するものがあります。大きくわけて3つです。

1.ハラスメントに対する正しい理解がない
2.コミュニケーション不足
3.社内での仕組みがない

ハラスメントに対しての正しい理解がないことです。誰がみても明らかにハラスメントに該当すると思われても、加害者自身がその認識がない場合は実は多いです。感じ方や捉え方といった個人の認知や価値観に影響され、むしろ正しいことをやっていると思い込んでいる場合です。
それ以外にも、ハラスメントを誤って理解することで、ハラハラ(ハラスメントハラスメント)と呼ばれる、何でもすぐに「ハラスメントだ」と主張する行為もあります。

ハラスメントは、双方の関係性にも影響を受けやすいものです。関係性がよい、いわゆる日常的なコミュニケーションが円滑であるとハラスメントにはなりにくいというものです。ただ一方で、感じ方による違いは大きいため、ハラスメントを感じた側が、その不快に思ったことを言いやすい環境や関係性があることがポイントです。日常的なコミュニケーションが不足している場合、ちょっとした言葉の解釈にズレは生じやすいもの。ハラスメントを指摘しにくい環境や関係性になると、さらに問題が顕在化しにくくなります。どちらか一方に、または互いに苦手意識があると過剰に反応する可能性が高くなります。

社内において、ハラスメント予防や対策の仕組みがないということは、ハラスメントに対する認識の甘さの表れです。社員は自社はハラスメントを容認する組織という認識になります。
ハラスメントによる社員のコストパフォーマンスや生産性を下げる結果にも。単に、一部の人だけが被害者になるだけだと放置することで、客観視している優秀な人材の離職を加速することにもなります。

1.コロナハラスメントは絶対NO、NGを明確に打ち出す

コロナハラスメントに関わらず、パワハラ、セクハラ同様ハラスメントに関しては、会社が損害賠償を請求されることもあります。セクハラやパワハラ同様に、コロナハラスメントから社員そして会社のいずれもが被害者にも加害者にもならぬような対策が必要になります。

そのためにも、まずはコロナハラスメントは絶対NO、NGを明確に打ち出すことです。

会社のトップが明確に「組織内でのコロナハラスメントは絶対にNO」を示し、全社員に周知徹底することです。個人の感じ方に影響は受けますが、ハラスメントを感じている社員がいて、それに何らかの対策を取らぬことで、結果的に社員の体調不良や離職につながり兼ねません。組織の課題として取り組むことで、社員の会社へのエンゲージメントの高まりにもつながります。

2.コロナハラスメント相談窓口を設置する

「これはコロナハラスメントになるのか?」、また気になった方が気軽相談できるような窓口が必要です。これは、あえてコロナハラスメント用の相談窓口として別途つくるのではなく、すでにあるセクハラやパワハラの相談窓口と兼務することは可能です。内部の総務や人事で相談窓口の役割を担うことも多いと思いますが、その方が当事者であることも。結果、相談窓口が機能しない場合も見受けられますので、外部の第3者による相談窓口をオススメいたします。

3.コロナハラスメントに関する理解を促す研修を開催する

コロナハラスメントは、いつ被害者にも加害者にもなりかねぬものです。そのため管理職や一部の人だけでなく、社員全体へコロナハラスメントに関する理解を促す研修等を開催することをオススメしております。研修会でハラスメントそのものへの捉え方や共通理解が社内で増えることにより、ハラスメントが起きにくい組織となり、結果的に社員の生産性向上にも繋がります。

コロナハラスメントに関するお問い合わせ

コロナウイルスという見えないものだからこそ、より不安や恐怖を感じるものです。その感じ方の違いの認識と差別意識はハラスメントを生み出しますが、企業としての取り組みによって軽減することもなくすことも可能です。

ハラスメントに関するオンライン相談窓口として、24時間ご相談を受け付ける「みんなの保健室」を承っております。またコロナハラスメントはじめハラスメントに関する社員の理解や意識啓発につながる研修等も承っておりますで、ぜひ弊社のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。